【課長】おはようさん。
【主任】あっ課長。おはようございます。
主任さんこんな時間に出勤してたっけ。
いえ、いつもはもっと遅いんですけど、今朝は早く目が覚めちゃって。
年のせい?
30代です。
実年齢と体の年齢は関係ないからね〜。
昨日は友達と飲みに行って、えらく遅く帰ったんですけど、一瞬ものすごく深く眠って、突然パッと目が覚めたと思ったらその後眠れなくなっちゃったんですよ。
主任さん!実はこれ夢なんだよ! 主任さんはものすごく深く眠った後、パッと目が覚めた夢を見てるんだよ。目覚ましセットし忘れてるから、今から目が覚めても遅刻だよ。
えっ! こっこっこれは夢なんですか。あ〜このままでは遅刻だ〜 誰か僕を起こしてください! 誰か僕を起こして〜〜。....すいません。このぐらいで勘弁してもらえますか。
主任さんにしては、中途半端なノリ方だったね。最近、唯一の強みを失いつつあるんじゃないの。
すごく失礼な言い草だとは思うんですけど、もうひとつ体調がすぐれないので、噛みつく気にもなれません。やっぱり飲みすぎたかな〜。
昨日は会社の友達と飲んでたの?
そうですよ。同期で沖縄出身のやつなんですけど北海道の営業所に配属になって自分が色白だってことに気づいたって言う人間なんですよ。
全く価値のない情報からだけで構成されたメッセージだね〜。でも、沖縄の人を北海道に配属にするなんて会社もかわいそうなことするね。
配属前の面接があったときに、営業系の社員の間で、『面接の時、配属の希望を言うとその場所には絶対配属されない』って言う噂が流れたんですよ。
ほとんど落ちがわかったような気がするけど...それで?
彼は、『絶対、沖縄には行きたくありません、可能なら北海道に配属してください!』って言ったらしいんですよね。北海度は人気薄だったんで、人事は喜んで希望通り北海道に配属したらしいです。
ふ〜ん。で、彼は機嫌よく仕事してるの?
それが、今回こっちに出てきたのは、定期異動の面接があるからなんですよ。それで、どういう希望の出し方をすれば、沖縄に帰れるかを画策しようと言う事になって、昨日居酒屋で作戦会議をしてたというわけです。
で、結論は出たの?
結局、変な作戦を考えるより、自分の希望を正直に伝えるって言ってました。
それが正解だよ。ゲームじゃないんだから。
でも、毎度、毎度、人事異動では悲喜劇が繰りひろげられますよね。
いろんな可能性を試すという意味では悪いことではないと思うけどね。
僕は今の仕事が好きだし、向いていると思うんですけど、異動の話が着たら拒否できるんですかね〜。
できるわけないじゃん。
じゃあ 一つの職種を極めたいと思っているときにはどうしたらいいんですか。
同じ職種の仕事をさせてくれる他の会社を探せばいいんじゃないの。
『他の会社を探せばいいんじゃないの〜』って、なに呑気に言ってるんですか。そんなことできる訳ないじゃないですか。
なんで?景気も良くなってきたし。見つかると思うよ。
この会社で同じ仕事をしたいんです!
それは、欲張りじゃないの。一つの職種を続けたいなら会社を変わる、一つの会社を続けたいなら職種を変わる。
意地悪ですね。
俺? 会社?
両方です! 夢だったらいいのに。