ストーリーとしての競争戦略:楠木建 ストーリーとしての競争戦略:楠木建

【主任】先日、ジュンク堂をぶらついてたら、こんな本を見つけました。

【課長】あ〜 その本いいでしょ?

買えばよかったですかねぇ?

…本は迷ったら買ったほうがいいと思うよ。本を選ぶのが上手になるから。

次はそうしようと、思ったり、思わなかったり…ところで、戦略ってストーリーで語れるものなんですか?

いい戦略はそいうもんだって言う主張の本だよね。

優れた戦略の条件って書いてありますよ。

まあ、いいストーリーとして語られていたら、優れた戦略である可能性は高いと思うよ。でも条件とまでは言えないような気がするけどね。

どんなときに当てはまらないんですか?

先週、主任さん、SR事業の戦略提案を事業部長にプレゼンしてたでしょ。

はい、ケチョンケチョンにやられたやつですね。

そう、事業部長が寝ちゃった挙句にプレゼンがつまらないからだって逆ギレして、机を叩いたらキャップを締め忘れたペットボトルが倒れて手元にあった人事考課の書類を…

全部思い出させないでくださいっ!

あの戦略、凄くよかったんだよね。尖ってるけどニッチに逃げ込んでなくて、リスクはとってるけど、その質がシンプルで直感的に理解しやすくて、ダウンサイドに落ちたときの見極めが最大リスクを負うギリギリ手前でできそうで…でも、美しいストーリーとして語られてなかったでしょ。

…なんて身近で哀しいサンプルなんでしょう。

それと、KW事業部で事業企画やってるG山部長って知ってるかな?

いえ、聞いたことありません。

彼は社内で「戦略の語部」って呼ばれていてね。それは素晴らしい物語で事業戦略を滔々と語るんだよ。

そんなすごい人が社内にいるんですか? 弟子入りしようかな〜

ただ、少し問題があってね、彼自身は戦略の良し悪しの判断は全くできないんだよ。

…おっしゃってる意味がよくわかりませんが…

彼はどんな酷い戦略でも美しい物語に紡ぎ上げることができるという特技を持っているんだよ。

それはまた、ある意味傍迷惑な特技ですね。

10年ぐらい前、G山部長が課長だった頃に、「愚策の金型」という異名をとる事業企画の部長と組んでた時期があってねぇ…

凄まじい状況が想像されますね。

向かうところ敵なしだったよ。

周りの人たちは最悪の組合せによる地獄への進軍だってことはわかってたんですよねぇ…

わかってたけど、美しいストーリーで語られると抗えないんだよ。

それじゃあ、この本に書いてあることは正しくないってことですか?

いい戦略はいい物語で語られなければならないってことじゃないかな。美しいストーリーのほうが伝播力があるしね。

どちらにしても、優れた戦略を立案しないと始まらないってことですね。

そういうことだろうね。

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